青少年読書感想文全国コンクール

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課題図書

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各課題図書の選定理由は、第72回青少年読書感想文全国コンクール「課題図書」選定委員会の報告をもとにしています。
※『学校図書館』(全国学校図書館協議会)2026年5月号掲載

※レビュー提供元:NetGalley

小学校低学年の部

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まこちゃんとコトバロボ

コトバロボに出会ってから、宿題をまかせきりのまこちゃん。でも、一緒にすごすうちに、「学ぶ楽しさ」を感じはじめて…。

 


【みどころ】
宿題もドリルもやりたくないまこちゃん。なんとか家から脱出すると、国語のことなら何でも教えてくれる“コトバロボ”に出会います。全部おまかせ、らくちん、らくちん! でも、本当にこれでいいのかな?

村上しいこ 作
たんじあきこ 絵
佼成出版社
1,540円

【選定理由】
子どもたちの身近な「宿題」を、ロボットにさせてしまう、という子どもに読んでみたいと思わせるテーマがいまどき。子どもたちの身近になりつつあるAIのことも考えることができる。
レビュアー

勉強を面倒に感じてついサボってしまったり、怒られるのを恐れて小さな嘘をついてしまったりする、誰もが子どもの頃に経験したことのあるようなリアルな感情が、ユーモラスに描かれた温かい作品でした。
最初はいやいやだった主人公が、失敗や葛藤を乗り越えて新しいことへの興味や楽しさを見出していく成長の過程がとても爽やかでした。読後感もよかったです。絵もとってもいいですね! キャラクターがうまいです!

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図書館関係者

今年の読書感想文課題図書ということで、読みました。
ウソをついたり誤魔化しをしたときの気まずさと、なぜ(国語を)勉強するのか、勉強することによりどんなことが出来るようになるのかの二点は、特に子どもに伝わりやすく書かれていました。
小学1年生がつまずきやすい、おねえさんとおねいさんの違いなどは、子どもも共感しやすいと思います。「どっちでもいいじゃん」と思うマコちゃんの気持ち、きっと読み手も「わかるわかる!」って思って、物語の世界に入っていきやすいでしょう。
そして最後に、おばあちゃんにお手紙を書きたい、となるマコちゃんの健気さは、大人も読んでいてほほえましいので、親子一緒にこの本を楽しんでもらいたいです。

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出版事業関係者

まこちゃんの心情に小学生だった頃の私はきっと共感するだろうなと思いました。
どの小学生も一度は同じ気持ちになったことがあるのではないでしょうか。
友情や家族愛で心も一緒に成長していく姿が素敵でした!

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なにかいいことあった?

「なにか いいこと あったかい?」おじいちゃんにきかれ、ダニエルは「いいこと」をさがしに公園をめぐります。何が見つかるかな。

 


【みどころ】
ダニエルと出会った鳥やオタマジャクシやリスたちが、それぞれの「いいこと」を教えてくれます。「いいこと」は私たちの何気ない毎日のなかにたくさんあるよ、と気づかせてくれるすてきなお話です。

ミーシャ・アーチャー 作
石津ちひろ 訳
BL出版
1,870円

【選定理由】
絵がきれいで、丁寧なコラージュなど、じっくりと絵を楽しめる。主人公の男の子と祖父の関係性の描かれ方がほほえましく、児童が自分も含め、まわりの「なにかいいこと」をさがしたくなる。
レビュアー

主人公が身近な存在に問いかけることで見つけていく様々な喜びの数々。普段当たり前だと思っていた景色が全く新しいものに変わるんですね。
読んでいるこちらまで心がじんわりと満たされました。
画面いっぱいに広がる鮮やかで美しい絵が、ページをめくるたびに幸せな気持ちにさせてくれました。読後感がいい。自分の周りにもいいことがないか探してみたくなりました。

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図書館関係者

いいことについて考えるっていい。
普段何気なく過ぎがちなことをひとつひとつ考えながら、「なにかあった?」と思いながら過ごすことは素敵だ。
できなかったことができるようになったり、新しいできごとがあったり、「なにかいいこと」は人それぞれ。それぞれに素敵。
「なにかいいこと」について考える時って心があたたかくなる気がする。
芽吹きの季節の鮮やかな色彩が描かれていて絵にもひきつけられた。

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図書館関係者

「なにかいいことあった?」と、私もついつい子どもたちに聞いてしまいます。子どもたちには、ダニエルのように、できるようになったことやちょっとした成長を喜んで欲しい(他の人がびっくりするような「いいこと」じゃなくても)。
あなたがいること自体がすでに「いいこと」だと、子どもに伝えている絵本だと思いました。さてさて、おじいちゃんは、そしてこの絵本を読んでいる大人は「なにかいいことあった?」と聞かれたら、なんて答えるのでしょうね。

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ララのまほうのことば

あついあつい夏の日に、ララが出かけるのはひみつの場所。「こんにちは、みどりのおともだち」やさしくララが声をかけると……。

 


【みどころ】
いつも元気でどろんこのララに、お母さんはちょっとイライラ。とうとう、外に出かけちゃだめと言われてしまいます。でも、ララが心をこめておともだちに呼びかけると……。やさしい言葉が世界を生き生きと育みます。

グレーシー・ジャン さく
やのあやこ やく
工学図書
1,980円

【選定理由】
色の使い方がよく考えられている絵本。太陽の色と主人公の女の子の生命力の表現など、ひきこまれる。絵に力や夢が感じられ、主人公の成長と子どもの力・希望が見られ、読んでいて楽しい。
レビュアー

おてんばで泥だらけのララが、はっぱのおともだちにかける言葉は、子どもたちがかけてもらいたい言葉そのものだなと感じました。どんな子も、その子らしくのびのび、自由に育つ力があるし、でこぼこのある自分を肯定してもらいたいと願っているのではないでしょうか。そんな子どもたちの気持ちを汲み取ってくれる素敵なお話だと思いました。子どもの頃の自分に読んであげたかったなと思います。

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教育関係者

ララは外に出るのが大好き。もちろん自分だけの秘密の場所があります。
ここまでは、ちょっとよくあるお話かな?とおもいきや・・・
ララのまほうのことばと、行動はララのお友達である緑の草木を動かします。
でも、本当はきっとララのことば全部が、ママにも向けられた言葉なのです。
ママは、表面しか最初は見ていません。どろんこ、ぐちゃぐちゃ、ようふくが汚れちゃう。
だけど・・・
子供らしさと、不思議な世界と、温かさが詰まった一冊。

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図書館関係者

ララはおてんば。ララの周りはいつもきれいな黄色で描かれていて、それ以外はモノクロ。そしてたまに緑。
そんな少ない色使いだからこそ伝わることがある。
なんで黄色なのかな、なんで緑なのかな、とかじっくり読んでほしい本。

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たねはいのちのおわりとはじまり

はじまりはひと粒のたね。芽がでて花が咲いて枯れて、またたねになる。たねを観察すると秘密が見えてくる。植物観察って面白い!

 


【みどころ】
植物は小さなたねから芽ばえ、花が咲いて枯れたあとに、またたねになって命をつなぐ。カキのたねを分解したり、ヒマワリのたねの数を数えたり、64種類のたねや芽ばえのふしぎを写真で紹介。植物観察って面白い!

鈴木 純 著
ブロンズ新社
1,540円

【選定理由】
写真がとてもきれいな絵本。さまざまな写真が使用され引きつけられる。いろいろな種の写真も、どの種を植えようかという興味・関心、種のはじまりとおわりを想像するなど、考える読書を促す。
教育関係者

子どもの頃の遊びのひとつに「たねをあつめる」というものがあった。
オシロイバナ、カラスノエンドウ、花壇に咲くケイトウ、そしてアサガオ。
それぞれの形も大きさも異なっていたけど、そこで「どうして違うのかな?」と思っていたら今とは違う道を歩んでいたかもしれない。
そして大人になった今、こんどは子どもたちが「見て!」と宝物のように集めたたねを見せてくれる。
だいたいが筆箱に入れてあり、小さな指でもつまみ出すのに一苦労だったりするけれど。
小さなたねは、私たちにとって自然への興味のひとつとして大きな存在なのである。
この本は、そんなたねについて、臨場感ある写真とともに語ってくれる本だ。
たねを熱心に集めていたころの自分がこの本に出会っていたら、と今更悔やんでも遅いので現在進行形の子どもたちに、開いてみせたい。
詳しい説明はない。専門用語もない。これ知ってる!と子どもたちが叫びながら読むことだろう。
そして知らないたねと出会いたいと切望する。そしてもっと知りたい、植物って?という気持ちの芽生えを植え付けるたねの役割をする本だ。

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図書館関係者

種や種から出る芽、植物が育っていく様子、最後また種ができるまでを写真をふんだんに使って見せてくれる素敵な写真絵本。
なかなか普段見られない姿も写真で見ることができ、とても面白かった。
落ちた綿毛から芽が出ているところ、ナズナの種、他にもいろいろ見たことない!が詰まった本だった。
頭で理解しているのと実際目で見るのとでは格段の差がある気がする。よみきかせにも使えそう。

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図書館関係者

ナズナやツユクサのような小さな植物から、ケヤキのような大きな木のたねまで、たねのでき方、運ばれ方、芽が出た様子などが写真で紹介されています。そして、最後のひまわりの「おかえり」は、圧巻。
これからは、道端の草を見ても、たねができているかな、何の芽かな、と気になりそうです。いろいろな植物を見る楽しみができました。

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小学校中学年の部

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まだまだここから

主人公・蓮がつかんだスイミングの特訓生になるチャンス。でも選ばれたのは弟の方で…。ぼくのがんばりは「むだ」だったのかな?

 


【みどころ】
失敗したら、ぜ〜んぶ「むだ」…なんかじゃない! 夏休み、新しい友だちやコーチとの出会いを通して、小学生の蓮は「がんばった」ことの先にある本当の意味を見つけていく。コツコツがんばっているきみへおくる物語。

宇佐美牧子 作
酒井 以 絵
ポプラ社
1,540円

【選定理由】
落胆や嫉妬といった小学4年生の主人公の心情が丁寧に描かれており、失意の中で前に進もうとする心の動きが伝わってくる。チームメイトの個性も丁寧に描かれ、それぞれの成長も読み取れる。
図書館関係者

正直、出だしや設定はあまり引き込まれなかったのだが、読み進めていくうちに、水の中にぐいーっと引き込まれて水と溶け合っていくみたいな心地良さを感じた。冷たいガラス1枚に隔てられた差、兄弟間の嫉妬、厳然と存在する残念な現実。それらと向き合っていくことで知る、世界が単純にはできていないという事実。父親が仕事の話をしているところが、特にいい!この母親の在り方も、同じ親として共鳴する。今の頑張りは、必ずどこかへと続いている。読後にタイトルを見返した時、作者から子どもたちへのあたたかな光のようなエールを感じた。

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図書館関係者

ものすごく爽やかで面白い。スポーツでみせるこどもたちの成長、心にきました。誰とも揉めることもなく、競技と向き合うことで、それぞれが自分の問題と向き合い、解決していく……子どもながら大人より精神面でよくできています。読んでいてまったくストレスがなかった。
まず、主人公がものすごく素直。ここが一番読みやすかった理由です。
スポーツ小説としても、成長ものとしても、おすすめしたい一冊です。

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図書館関係者

友だち、家、過去のできごととすっきりしないことを抱えた男の子3人。頑張ったからうまくいくわけではない、物語の中でも頑張ったことは結果として現れない場面が描かれていました。でも、蓮のお父さんや春さんといった大人も含め、結果が出なくてもそこから自分が得るものがあるかどうかは自分の考え方次第だなあと感じました。
まだまだここから、いい言葉だと思います。

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それからぼくはひとりで歩く

ある放課後、はじめてひとりでバスに乗ることになってしまった、目の見えないハイメ。11歳の、ささやかで大きな冒険の1日。

 


【みどころ】
シャワーの水音、洗濯機の音…目の見えないハイメの朝は音ではじまります。そんなハイメの日常と、小さな冒険を描く物語。はじめての経験に伴う失敗や喜び、秘密…ハイメのはじめの一歩を、共に感じてみてください。

アリシア・モリーナ 作
星野由美 訳
犬吠徒歩 絵
ほるぷ出版
1,595円

【選定理由】
困難に前向きに向き合い、成長する姿を描き、障害への理解や挑戦の大切さを伝える。時系列で示される日常生活はイメージしやすく、舞台であるメキシコから異文化にも触れられる作品。
レビュアー

少しの勇気を出して新しい世界へ踏み出した主人公の姿に、ハラハラしながらも胸が熱くなる素晴らしい物語でした。
まるで一緒に冒険をしているような感覚でした。
周囲の温かいサポートや家族との絆によって少しずつ前を向いていく過程がとても感動的。過干渉にならず、そっと背中を押してくれる大人たちの存在も心強いですね。
また、児童書として作中に添えられた温かみのある挿絵が、物語の優しい世界観をさらに引き立てていてとても魅力的でした。素敵な本ですね。

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書店関係者

ハイメは目が見えないながらも、周りの音や空気を感じ、さまざまな道具を使いながら学校に通っています。ハンデがある人の不幸な物語ではなく、不便はあっても工夫しながら快適に楽しく過ごすハイメに、風が吹き抜けるような清々しさを感じました。メキシコの日常の風景や食事など、異文化の生活を文章から感じとることができます。ただ地図帳を眺めるだけでは伝わらない、彼らの日常を身近に感じることができました。

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図書館関係者

朝起きてからの具体的な行動と工夫の数々、それらが緻密に計算されていることを知ることは、私たちの見えているはずの世界を、より「見える」ようにしてくれる。ハイメの冒険は、半径にしたらそうおおきな円ではないにせよ、読む私たちにとっても大冒険だった。誰かの「目」で世界を、社会を見ることができるのが読書の持つチカラのひとつ。ぜひ3年生、4年生たちに味わってもらいたい。

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おいしいお米をつくりたい!:ゆうちゃん、小学生で農家に弟子入りしました

つぎつぎ生えてくる雑草、育てたイネにおそいかかる台風や虫。米づくりって、とってもたいへん! おいしいお米、とれるかな?

 


【みどころ】
ゆうちゃんは、農家の中井さんがつくるお米が大好き!小学2年生で弟子入りし、田んぼで米づくりを始めます。ひりょうをつくり、なえを育て、田植え、草とり、虫たいじ。米づくりってたいへん……でも、おもしろい!

谷本雄治 著
汐文社
1,980円

【選定理由】
主人公が、子どもたちと同世代で親しみやすい。大きめの写真と適宜入るコラムとともに、米作りに関する情報も得られ、読者がさまざまな気づきを得られる。
教育関係者

中井さんの田んぼのお米が美味しい!ゆうちゃんは、その美味しいお米を作りたいと思います。
中井さんに休耕田を借りて、なるべく自力でお米作りにチャレンジするゆうちゃん。
最初は、自分のスケジュールを考えて収穫時期の早いコメを選びます。
害虫も虫、なるべく農薬を使いたくない、途中までは自力で植えてみる、などゆうちゃんの気持ちと行動力をだまって見守り、必要に応じて手助けする大人たちがまた素晴らしい。
ゆうちゃんが持つ周りを巻き込む力には、ヒトのコミュニケーション能力、協力したい気持ちなどを引き出すものを感じます。もちろんそこには子どもが頑張っているから、というものもあるでしょう。
でも、お米作りはちょっと思いついて子どもががんばればできるものではありません。
中井さんも、自分がやっていない新しくて古いやり方などを試したり、いつのまにかチャレンジャーになっています。
3年間のがんばりを、短くまとめていますが、わくわくが止まらない本でした。

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レビュアー

小学二年生の主人公は、知り合いの農家が作ったお米の甘さと美味しさに感動し、自分でもお米を作りたいと決心します。ひとりの子どもの純粋な情熱と行動力が、周囲の大人たちを巻き込み、地域全体に活力を与えていく様子に胸が熱くなる素晴らしいノンフィクションでした。
失敗を恐れず、泥だらけになりながらも前を向いて突き進む姿に、こちらも勇気と元気をもらえます。お米への愛情と農家の方々への感謝の気持ちも育むことができる現代に適した本といえます。イラストもとってもいいですね!

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教育関係者

お米作りの本は数あれど、小学生が作ってみたらどうなる?という本はなかったように思います。
この本では、中井さんによってお米の美味しさに目覚めた小学2年生のゆうくんが自由研究で米づくりに挑戦したノンフィクションです。
「思ったより小さいなあ」と感想を漏らしてしまったゆうくんの田んぼは6.3アール。
田おこしは師匠の中井さん。でも1.5トンものたい肥をまくだけでゆうくんは疲れてしまいます。
3年生になったゆうくん。中井さんでも経験のない完全無農薬の田んぼで、300キロもの収穫を狙います。
普段は学校があるので、農作業は週末のみ。そして草とのたたかい、台風被害と向き合います。
結果、翌年も挑戦することに。
中井さんはもちろん、平日はお母さん、週末にはお友だち、地元の人たちの応援で頑張るゆうくん。
くたびれた、と書かれた日記とひとやすみして寝ている様子に不謹慎ながら微笑んでしまいました。
私も週末だけの農業をしたことがあります。本当に大変でした。手伝ってくれる人がいないと成り立ちません。
お米づくりの大変さ。そして人との助け合いの大切さ。自然のありがたさと脅威。農家さんの素晴らしさなど色々なことが詰め込まれた1冊でした。
羽釜で炊き立てのお米!本当に羨ましいです。

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宇宙でウンチ:みんなの知らない宇宙トイレのひみつ

 宇宙飛行士は、どうやって「ウンチ」をするの? 無重力だとウンチが浮いちゃうし……。宇宙トイレの秘密にせまる科学絵本!

 


【みどころ】
人類は英知をあつめて宇宙開発をおしすすめてきましたが、「トイレ」という大きな問題が残されていました。NASAは、宇宙で快適につかえるトイレの開発を続けています。宇宙トイレの秘密をときあかす科学絵本。

A.ボンドー=ストーン、C.ホワイト 作
L.ケンセス 絵
千葉茂樹 訳
あすなろ書房
1,650円

【選定理由】
類書がないところや、巻末資料まで読むことで、内容が理解でき、深めることができる構成。独特でユニークな絵とタイトルだが、内容はふざけずに科学的。探究する児童も出てくるような内容。
教育関係者

《笑ってしまう。でも、これは人類が本気で向き合った科学の話》
あまりにもストレートなタイトルに、思わずニヤッとしてしまった。
でも、ページを開くと、内容は至極真面目。
表情のわかりやすい絵で、宇宙で排泄することがどれほど切実な問題なのかを、しっかり伝えてくる。
宇宙では、普通のトイレは使えない。
その理由も、とても具体的に説明されている。
とはいえ、ただ真面目なだけではない。
トイレットペーパーがほどけながら、ふわふわ浮いていく場面など、思わず笑ってしまうユーモアもちゃんとある。
さらに、それぞれの宇宙船の打ち上げ日や目的、もちろんトイレの数まで明記されているのが面白い。
宇宙開発の歴史を、まさかトイレからたどることになるとは思わなかった。
そして、宇宙トイレの開発にまつわるトラブルや裏話には、これまたニヤリ。
でも、研究の末に、宇宙飛行士がトイレのない場所でも6日間過ごせるようになったという話には、素直に驚いてしまった。
うっかり口には出しにくい。
けれど、人が生きるうえで避けては通れないこと。
宇宙開発とは、ロケットや宇宙船だけではない。
人間が人間のまま宇宙で生きるための工夫の積み重ねでもある。
その大切な一面を、ここまでわかりやすく、そして楽しい絵本にまとめたことに拍手したい。

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メディア/ジャーナリスト

「うんち」という言葉を聞いただけで、子どもたちはなぜあんなにも無条件に大笑いするのでしょうか?本作は、そんな子どもたちの心を一瞬でつかんで離さない魔法のような一冊です。
「宇宙飛行士は無重力の宇宙でどうやってトイレに行くの?」という、誰もが一度は思い浮かべる素朴な疑問。本書はそれを単なるおもしろ話で終わらせず、歴史、衛生、科学、そしてユーモアたっぷりの視点から見事に解き明かしてくれます。
大笑いしながら読み進めるうちに、子どもたちは気づくはずです。普段当たり前のようにしている「トイレに行く」という行為が宇宙では決して簡単なことではなく、世界中の天才科学者たちが大真面目に研究を重ねてきた重大なミッションなのだということに。
この絵本の最も素晴らしい点は、「科学」というものを学校で教わる少しハードルが高い勉強から、日常の延長線上にあるワクワクする謎解きへと変えてくれるところです。身近な「うんち」を通して、科学がいかに私たちの生活(そして宇宙!)と密接に結びついているかを自然と学べます。
幼稚園の年長さんから、小学校低・中学年のお子さんにぴったりの作品です。親子で一緒に大声で笑いながら、知的好奇心を存分に刺激される素晴らしい読書体験でした。

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レビュアー

なんて楽しい本でしょう!
ふざけたような語り口で話は進んでいくけれど、内容はいたってまじめ。自分が宇宙飛行士になったような気持ちで読んでしまいました。こういう類の本、とても興味深いです。一年もの長い期間宇宙に滞在する飛行士たちは、病気になったらどうするんだろう。出発間際に行きたくなくなったりしないのだろうか。食べ物は美味しいのかな。いろいろな疑問が湧いてきます。ぜひ続編が読みたいです!

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小学校高学年の部

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ポジション!

運動は苦手なのに背が高いだけでミニバスのメンバーになった芽吹。車いすバスケで努力するルイの姿に鼓舞され成長していく物語。

 


【みどころ】
運動が苦手で友だちもいないぼくがミニバス? 芽吹は入団を決意するも挫折し自信を失う。そんな折、車いすバスケで努力するルイの姿に触発される。仲間とぶつかりながら、自分の居場所を見出していく熱い成長物語。

高田由紀子 作
岩崎書店
1,650円

【選定理由】
構成に工夫があり、バスケの練習や試合を通した主人公たちの成長が描かれる。切磋琢磨しながら望むポジション確保のため、自分の役割を考え、改善し協力する過程が丁寧に描写されている。
レビュアー

私も学生時代、球技をやっていました。
なかなか上達せずに辞めたくなったこと。チーム内の揉めごと。勉強との両立の悩み。今でも部活の夢はよく見ます。そんなほろ苦い青春が蘇ってくる、爽やかで胸が熱くなるような作品でした。
芽吹、百田、ルイ、結人。みんなかっこいい。いろんな悩みを抱えながらも、まっすぐな瞳でバスケに向き合っています。そのひたむきさが、読者に勇気と元気を与えてくれます。
たくさんの子どもたちに読んでもらいたい、すてきな本です。

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図書館関係者

バスケを始めた理由が単純でも、続けていく事で大切な仲間との時間や努力が、自分が変わるキッカケになっていく。オンラインが普及し、対面での人との関わりが薄くなるこの時代、こんな体験を積み重ねて成長した人は、必ず誰にも負けない力を身につけていくだろう。
それぞれの目線で語られる各章は、みんなの気持ちを知れば知るほど、会話の大切さが身に染みてくる。今の時代、どれだけ友達と心の声を語り合えているのだろうか。
人を思いやる気持ちとチャレンジする行動に胸が熱くなる。ラストの試合は仲間との熱い思いが感動の涙となって、読み終えた時、温かい気持ちになる。心に響く一冊。

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図書館関係者

「バスケやってる男子の本ないっすか?」って聞いてたあの子に手渡したかった!もう卒業してしまった子には翻訳小説を薦めたのだけれど、この本も読んでほしかった!
章ごとに主人公が変わる最近の児童小説は本当にいい。本来、どの子も人生の主役なのだから。自分に重なる部分のキャラや気持ちをなぞるのもいいし、似たようなシチュエーションを重ねて、相手の目線でものを考えることもできる。「使えるもの、全部使って自分を出しきれ」の言葉を含めて、名言も沢山出てくる。自信がまだまだ確立できていない小学生にこそ、今の自分の置かれたポジションを楽しむ、自分がやりたいからする、誰かの許可はいらない、というメッセージに力を与えてくれる小説だと思う。早く、早く紹介したい!

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リヒト!

祖母の節さんが、理人に最後に託した封筒。あの手紙には、言えなかった言葉が書かれているのだろうか—。さあ、あなたもいっしょにドイツの旅へ!

 


【みどころ】
「理人、最後に伝えておきます」
祖母の節さんがぼくに託した、中身のわからない封筒。 節さんが伝えたかったことは何? そもそも節さんって―? 疑問を抱えながら、ぼくは「苦手なあいつ」とドイツへ向かうことになった。

イノウエミホコ 作
文研出版
1,650円

【選定理由】
高学年児童の目線で出来事が描かれ、主人公の心情の変化と成長が人間関係を通して丁寧に表現されている。読者が登場人物に共感し、各々の思いを感想文に綴ることができる。
図書館関係者

とても面白く読みました。主人公は、真面目過ぎる6年生の受験生。祖母をなくしたのをきっかけに、祖母からあずかっていたものを渡しに行こうと祖母の双子の姉妹に会いにヨーロッパへ。同行するのは、主人公と正反対の性格ともいえる親戚の大学生。この大学生がとてもいいスパイスを効かせてくれる。勉強ができることがいいこと、正解に早くだどりつくのが大切だと考える主人公の気持ちが少しずつ動いていく。ドイツ語で光を意味する「リヒト」と名付けられた主人公の成長が描かれた作品。祖母の節さんとリヒトがとても良い関係だったと思うくらい、親戚の大学生とも節さんはいい関係だったのだと思った。

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レビュアー

中学受験の勉強真っ只中の理人くん。大好きだった祖母節さんのご利益ある写真を取り返しに、はるばるドイツへ!旅のお供は親戚で大学生のマサムネくん。こましゃくれた態度で旅先でも勉強したり、イレギュラー対応にすぐイライラするが、現地で自分の英語を通じると喜びのあまりマサムネくんとハイタッチをするところ、微笑ましい。ケルン大聖堂やヘルマン・ヘッセゆかりのマウルブロン修道院、そして魅力たっぷりのミュンヘン観光を挟み、レイさんとの交流の果てに頑なだった理人くんに成長の兆しが伺えるラストは爽やかな読後感をもたらす。

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レビュアー

まじめでちょっぴり融通がきかない理人。大好きだった祖母を亡くして落ち込んでいた時に、降って湧いたように、海外旅行へ行くことになります。それも、苦手なマサムネといっしょに。
異国の地で、自分を見つめ直していく理人の姿に好感がもてました。人を第一印象できめてはならないこと、人にはいろいろな面があるのだということ。それに気づいたとき、理人はひとつ大人になります。
爽やかな読後感が残る作品です。

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ミシュカ

「もうどこにもいかないで。ずっといっしょにいよう」難民になった女の子が新しい国で見つけた幸せ。ウサギと家族の愛の物語。

 


【みどころ】
「わたしの名前はロヤで、9歳だよ。生まれたのはアフガニスタン」ロヤはウサギのミシュカに語りかけます。聞いてほしかったのは、知ってほしかったのは、国を追われたロヤたちの、長い長い旅の物語でした。

エドワルト・ファン・デ・フェンデル 、アヌッシュ・エルマン 作
アネット・スカープ 絵
野坂悦子 訳
静山社
1,815円

【選定理由】
穏やかで楽しい家族の暮らしが描かれるが、心に抱える多くの悲しみが静かに伝わる文章。丁寧な叙述から、国を追われるという苦難を背負う人々が世界にいることに気づかせてくれる。
レビュアー

祖国のアフガニスタンを逃れ、オランダでの長い避難生活を経て、ようやく自分たちだけの家を手に入れたロヤの一家。
9歳のロヤは、白いドワーフラビットを飼うことを提案し、「ミシュカ」と名付けます。
もうここだけで、胸にきてしまいますね。
過酷な過去を背負った家族が、新しい土地で小さな命を迎え入れることで、少しずつ心の傷を癒やしていく。前を向いていく。なんとも温かい物語でした。
辛い逃避行の記憶が、小さな動物との触れ合いを通じて静かに語り直されていく展開が素晴らしい。
言葉の通じない動物だからこそ打ち明けられる本音に胸をうたれました。
今の時代だからこそ、世代を越えて読まれてほしい本ですね。

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図書館関係者

危険から身を守るために住み慣れた自分の国を離れる。なんと悲しく、過酷なことだろうか。この作品は温かな家庭が、ペットのうさぎミシュカを飼い始めるところから語られる。ほのぼのとした少女と動物の触れ合い。しかし、今もなお家族に暗い影を落とす、難民として逃れてきた辛い記憶。少女ロヤと家族の絆が感じられるエピソードに胸が熱くなった。国際的平和、相互理解として低学年から大人までお薦めできる一冊。

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レビュアー

読む前に地図アプリを開き、アフガニスタンとオランダの位置を確認した。その遠さに、小さく叫んだ。この道のりを半年かけて、一家は逃げたのだ。覚悟してページを捲ると、ウサギのミシュカはかわいいし、家族は明るく温かい。逃亡の記憶さえ冒険譚のように感じた。でも言葉の端々に気づく。重いものは確かにある。ただこの本は、それを前面に出さない。思いのほか軽やかに、最後まで読めた。

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キミの一歩アフリカ:ゾウを食べるにはひと口ずつ

アフリカ各国で出会った、きびしい状況におかれた子どもたち。 それでもみんな、大きな夢や目標を持って一歩一歩進んでいく!

 


【みどころ】
砂漠化による食糧不足や貧困、環境破壊や治安悪化……、アフリカ各国における社会問題を背景に、チェスやボクシングなど、夢をいだいて力強く生きるアフリカの子どもたちの姿を描いた一冊!

味田村太郎 文
あかね書房
1,980円

【選定理由】
小学生にわかりやすい文体と豊富な写真でまとめられ、比較や共感を通して考えを深められる。アフリカの子どもたちの状況や願いから、世界の人々の生き方や考え方へ考えを広げられる。
レビュアー

遠い国の出来事だと思っていた社会問題が、そこで暮らす人々の等身大の姿を通して、ぐっと身近に感じられる素晴らしいノンフィクションでした。
どんなに大きくて困難な問題でも、諦めずに踏み出し続けることの大切さが、伝わってきました。
自分自身の恵まれた日常を見つめ直し、これからどう生きていくべきか考えることができそうです。多くの世代に読んでほしい一冊ですね。

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レビュアー

課題図書ということで読みました。小学生にあまり馴染みのないアフリカの現状がよくわかりました。年に一度、学校でユニセフの募金活動を行いますが、それ以外でアフリカの貧困や難民、虐殺の歴史等を学ぶ機会は少ないように感じているので、この本はとても良い学びになるとおもいます。日本の子どもたちも大好きな折り紙やチェスがアフリカでも行われていることは全く知りませんでした。アフリカが少し身近に感じられる良書だと思いました。シリーズ本を全部読んでみたくなります。

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教育関係者

「ゾウを食べるにはひと口ずつ」
「千里の道も一歩より」に似たアフリカのことわざ。
アフリカのさまざまな国での「ひと口」
チェス・ボクシング・折り紙・環境問題・ライオン・・・
地球はつながっているのに、同じ子どもたちなのに、教育を平等に受けられない子どもがいるということが、つらい。
でもつらいからと受け身でいるのではなく、ひと口を始めている人たちの存在。
テーマは多岐に渡り、それぞれの国や問題ももっと知りたくなるけれど、問題意識をもつきっかけとしてこの本はすばらしい。
知らなかったというなら、ここから知ろうとしてみよう。
動きたいと考えるなら、何かしらのアクションができるはずだ。
それこそが、「ゾウを食べるにはひと口ずつ」
あなたのひと口は何ですか?

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中学校の部

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君の火がゆらめいている

葉澄は障害のある双子の姉のことを大切に思い、彼女の生活を手伝う毎日を送っていた。しかし次第にその気持ちがゆれはじめ……。

 


【みどころ】
障害のあるきょうだいが困っていたら助けるのは当たり前。でも、本当にそうなの? いつもわたしが、我慢しなくちゃいけないの? 障害や重い病気のある兄弟・姉妹がいる子ども──「きょうだい児」の葛藤を描く感動作!

落合由佳 作
講談社
1,650円

【選定理由】
「きょうだい児」という立場を想像しながら多様に読め、「正しく知ってほしい」という著者の思いが取材に基づき描かれている。考える一歩、理解という支援を広げるという点も評価された。
レビュアー

ヤングケアラー
コーダ
など、家族が抱える困難を手伝う事で本来得られるべき権利が得られない子供達がいる事を読書を通して学んできました。
この作品は「きょうだい児」を扱っています。
主人公の葉澄の小6~中3までの多感な時期の成長していく姿と発達障害のある双子の姉・菜々実とのそれぞれの時期の関係性の変化が描かれていました。
姉を大切に思う気持ち
両親を手助けしたい気持ち
何事も姉優先の中で寂しい気持ち
友達の気持ち
そして何より自分の将来について…
いつまで寄り添えば良いのか、という問題について。
簡単には答えの出ない問いに悶々と閉塞感に苛まれていた時、似た境遇の男の子との出会いから「きょうだい会」というきょうだい児達の集まりがある事を知り参加するようになります。
このような作品を読んでいつも感じるのは『居場所』を作ってあげる事の大切さ、これは何もきょうだい児に限らないけれど大人として居場所を作ってあげるためには様々な事情を知っていた方が良い
この作品の中でちょっとした事故が起きるのですが、これを自分ごととして捉えたら…
自分の子供に起きた事だったら…
自分には上手に誰の居場所を奪うこともなく対応する事が出来るだろうか
ケースバイケースなのは当然ですが、「きょうだい児」の問題について真っ直ぐに向き合った葉澄の強さを思い出して、逃げ出さずに乗り越えていきたい道はきっとあるはず。
そう思わせてくれる素敵な作品でした。

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図書館関係者

「きょうだい児」という言葉を最近耳にすることが多くなったのですが、実際にどう感じているのかをこの本を読んで少しは知ることができたかなと思います。自分の予定が急に変更したり、やりたい事ができなかったり、周りの人の目が気になったりという事が具体的に感じる事ができる本で、図書館に一冊あるといい本だと思いました。

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書店関係者

障害のある子のきょうだいである“きょうだい児”という存在は知っていても、理解も知識も足りていなかったことにまず気づけたことが良かった。
悪意や善意、無理解、思いやり、と、彼らを取り巻く環境と視線が丁寧に描かれていて、ケアをする側にもケアが必要、っていう考えは、この物語のケースに限ったことではないと思うから、みんながそういう種類の優しさというか提案を受け入れやすい世の中の方がひらかれた未来を感じられて、広い意味で幸せなんだと思う。
完璧な正義を持たなくても、小さくても良心を心に灯し続けることが出来れば、しなやかな考えが自分も周囲も守ってくれる。もちろん、そのために知識も体験も必要なことなんだろうけど、この作品に出会えたことでその最初の一歩になりうると感じました。
葉澄にとって恵太との偶然の出会いはとても幸運な世界の広がりだったように、たくさんの方々にこの煌めきを手にして欲しいです。

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チーム・テスならだいじょうぶ

中2の転校生テスは、手作りお菓子作戦で友だちを作ることに成功。学校生活が楽しくなるが、時々襲ってくる腹部の激痛に苦しむ。

 


【みどころ】
チーム・テスとは、主人公テスを支える応援団のこと。焼き菓子コンテストに挑戦するテスをバックアップしながら、まだ完治困難とされるクローン病を発症したテスに寄り添う。厚い友情と希望を描く青春ストーリー。

カービー・ラーソン&クイン・ワイアット 作
杉田七重 訳
鈴木出版
1,870円

【選定理由】
悩みを抱える主人公テスが、新しい環境に前向きになじむ姿に中学生らしさがあり、共感できる。父の死や病を経て立ち直る過程と結末が、中学生に大人への一歩を促す。
教育関係者

テスは友達づくりがちょっと苦手。そしてお菓子づくりは抜群にうまい。
そんなテスが引っ越して、新しい中学校への転校初日・・・というところから物語は始まります。
お菓子作りというのは、1人の作業でもあり、自分の内面と向き合う作業だったりもします。
美味しいお菓子を作れるテスは、お菓子をきっかけにかけがえなのない友達ができるのですが。
また、父親を亡くしていて・・・それも自分の責任さえ感じているテス。
さらに体にはいつも爆弾をかかえていること。これはどんなに仲良くてもまた、母親にでさえも打ち明けることはできませんでした。
しかしある日をきっかけに・・・。
物語は、テスを中心に進んでいきますが、丁寧に描かれた友人や家族たちなどの姿によって、読む自分もまたいつのまにか「チーム・テス」の一員になったかのような気持ちで満たされます。
辛いときは、逃げてもよいし、1人だけで頑張る必要もない。そんなことも思いながら読了しました。

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レビュアー

友人に同様な病気を長く患っている子がいて、胸にしみわたりました。
思春期の繊細な悩みと、突然ふりかかった大きな困難に立ち向かう主人公の姿が、瑞々しくも力強く描かれた素晴らしい青春物語でした
主人公をどんな時も決して見放さず、不器用ながらも力強く引っ張り上げてくれる周囲の人々の温かさとユーモアに、読んでいるこちらも大きな救いを感じました。
劇的な魔法で全てが病気以前に戻るわけではありませんが、困難と共に生きていく覚悟を決める主人公を心から応援したくなりました。なんて素敵なもお話なのでしょう!!

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図書館関係者

出てくるお菓子がどれもおいしそうで、テスのクラスメイトになってご相伴にあずかりたくなります。
最初はストレスによる症状なのかと思っていたものが、実はクローン病によるものだとわかるあたり、なかなか彼女は重たいものを背負わされていると思わされましたが、無邪気な妹や気のいい友人たちに囲まれて、前向きにひたむきに進もうとするテスの姿に力づけられます。
難病といわれるものにもいろいろなものがあり、なかなか詳細を知る機会がないのが実際ではありますが、パッとわからないだけで隣の人がそうかもしれない。
そんなことにも思い至らせてくれながら知識も得られる。
物語の力を感じさせてくれる作品だと思います。

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リュウグウの砂に挑む:チームで小惑星のサンプルを分析

様々な分野の研究者がチームを組んで、生命の起源の謎を解き明かすために小惑星リュウグウの砂の分析に挑みました。

 


【みどころ】
小惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星リュウグウから採取した砂を地球へ持ち帰りました。様々な分野の研究者たちが、砂の分析に挑み、ついに「生命のゆりかご」ともいえる重要な手がかりを発見しました。

伊藤元雄 著
くもん出版
1,760円

【選定理由】
大きな文字と平易な表現で読みやすい。専門用語も理解しやすく、「リュウグウの砂」への理解が深まる。準備や失敗の大切さ、諦めない姿勢など生き方への示唆や気づきも多い読後を評価。
教育関係者

日常では馴染みのない分野の作品ですが、導入に漫画が用いられていることで内容をイメージしやすく、自然に作品の世界へ入ることができました。専門的な知識も中学生にわかりやすく書かれており、この作品との出会いをきっかけに、宇宙に興味をもつ生徒が出てくることが楽しみです。
大人のわたしが読んでもわくわくする内容でした。1センチの移動に1億年かかり、実際の研究にはマイクロミリのものが今見せている姿から、それぞれのエキスパートが意見を交わし研究結果として報告する。ここに書かれている内容は、教科書というものが事実として完全ではなく、未完のものであり、学ぶことが未知への挑戦であるというロマンを感じました。

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書店関係者

その“ひと粒”に秘められし謎を解くために、著者はじめ多くの人たちが何度も何度も挑む…。文章はとても読みやすくて小学校高学年でも読めるかなと思ったのですが、本書が中学生部門の課題図書に選ばれた理由が分かるような気がしました。中学生って思春期もあいまって「いま自分たちは何のために勉強をしているのだろう」「小学校と違ってもっとしんどくなった」と感じる年頃です。そんな時期の読者たちに著者の姿を知ってもらうのは良い刺激になるのではないでしょうか。チーム一人一人の力が不可欠で、皆で力を合わせて挑んでゆく姿とかも、きっと励みになるのではないかと思いました。

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図書館関係者

中学課題図書。研究内容はともかく、装丁や厚さ、書き方なども小学生から読めるかな、という印象。でもあとがきから、ここから、宇宙に興味を持ち、科学者としての道も将来の視野に入れてほしいという気持ちがわかった。中学で習う理科に研究の基礎があること、わからないと思うことがあってもいったん「わかったふり」をして先に進むと、急にわかるときが来ること、英語は度胸!など、今やっていることが将来何の役に立つのか、とイヤイヤ勉強している中学生に向けて語っている、未来への一歩になる本かな、と思った。

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高等学校の部

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スウィッシュ!

自分にもきっと新しい可能性がある。運動が苦手なキャプテンと骨折したエース。ふたりの絆が奇跡を起こす、青春バスケ小説。

 


【みどころ】
人生を変えてくれた親友と、もう一度同じコートに――怪我をしたチームメイトを治すため、愛奈が頼ったのは仲違いしていたスポーツドクターの父だった。高校生最後の大会であふれた友情と家族愛が心に響きます。

藤ノ木 優 著
徳間書店
1,980円

【選定理由】
高校女子バスケ部を舞台に、正反対のタイプの主人公とエースの友情が描かれ、スポーツドクターの父との関係や、医学的視点の描写も物語に広がりを与えていて、多様な感想文が考えられる。
図書館関係者

バスケットボールは体育の授業で経験したくらいで、ルールに詳しい訳でもない私が読んで、果たして存分に楽しむことができるのだろうか?という疑問は、全くの杞憂でした。自由時間全部を使って一気に読ませていただきました!
ほかの部活の助っ人部員て大丈夫なの?とハラハラもしましたが、それぞれの良さを活かし成長していく過程は、心から応援したくなります。
この物語を通して、スポーツドクターの重要性が広く認知されていくことを願います。
勉強に部活に忙しい高校生ですが、ぜひ読んでもらいたい1冊です。

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書店関係者

この作品を課題図書に選んだ方々に「ナイスプレー!!」と心から伝えたい。二人の少女の物語ではありますが、根幹にあるのは親と子の物語です。父親側の気持ちになってオロオロドキドキ、娘側の気持ちになってピリピリザワザワ、両方をしっかりと味わうことが出来ます。スポーツ小説でありながら、家庭環境の違いや身体づくりについての医学的な話、色々盛りだくさんなのに気持ちよくスッキリと読むことができます。終盤の試合描写、息をするのを忘れるところでした。自分の周りの音が、ボールの音以外無くなったのかと思いました。

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書店関係者

運動が苦手なのに突然高校からバスケを始めた愛奈。同じチームにはバスケのセンスが抜群で絶対的エースの羽瑠。彼女は何故かケガが多い。今回も春の大会で骨折してしまう。高校最後の夏の大会前になんとか治して、一緒に試合に出たいと願う愛奈は一番頼りたくない存在であるスポーツドクターの父親に助力を請うのだが…。
愛奈が今まで抱えていた葛藤、羽瑠が身を置く環境の厳しさ、現状で女性アスリートが向き合っている問題など、爽やかな青春をベースに様々な事情も絡み合い読み応えあるうえに、若者の柔軟性とまぶしさがとどまらず、とにかく、とてもとても良かった!
P39から始まる、羽瑠が言葉を尽くすメンバー紹介には笑みがこぼれ、『医療は魔法じゃない』と真摯に伝える竜介の言葉が心に刺さる。大満足の一冊です。

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ノアハム・ガーデンズの家

1970年代のオックスフォード。古い家に大おばと暮らすクレアは、物置で見つけた異国の楯をきっかけに、奇妙な夢を見るように……。

 


【みどころ】
人類学者の曽祖父がニューギニアから持ち帰った楯を見つけて以来、クレアの心は大きく揺らぎはじめます。文明と文化、場所や物にまつわる記憶、若さと老いについて……、私たちに深く考え、感じさせる物語です。

ペネロピ・ライヴリー 著
斎藤倫子 訳
ゴブリン書房
1,980円

【選定理由】
不遇な生い立ちの主人公が明るく生きる姿を評価。パプアニューギニア先住民への関心から異世界へと展開するストーリー、文明による文化破壊への問題提起も含め、多様な意見を期待できる。
教育関係者

予備知識を持たずにこの本を読み始めたのですが。かなり読み進めてから「ちょっと前の話?」と思うくらい、時代を感じさせずに没入してしまいました。
中学生の主人公クレアは、大きな古い家に大好きな伯母(大伯母?)2人と住んでいます。
人類学者だった曾祖父が残したもののなかに、ニューギニアの盾があります。
盾には不思議な模様。夢か現かわからない夢にクレアは毎夜いざなわれ、盾とそれをめぐる人々の様子、自分と盾などについて実感してきます。盾は先祖たちが生きてきた証をきざむもの。クレアの家に飾られている曾祖父や曾祖母の肖像画と同じだと気付き、人々が国がちがっても生きてきた証をさまざまな形で残していることを知ります。
思春期特有の精神の不安定さと、現実主義、理論的な考え方が自分のなかに存在する。
オックスフォードの冬の閉塞感と、それが故の自然の美しさ。
相反する感情や物事を受け入れ、日々を過ごす姿に、思春期が遥か彼方へ行ってしまった自分にも刺すような痛みと共感をもって読んでいきました。
渦中の時期を過ごしている高校生、中学生はどのような読みをするでしょうか。楽しみです。

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書店関係者

読んでいる間、ずっと胸が詰まったような苦しい、けれどこのうえなく愛おしい感情に溢れていました。主人公クレアの、この優しく聡明な少女がどれほどおば達を愛しているのか…もう、どのページからも溢れてくるようで、たまりませんでした。
あとがきに、この物語は今から50年ほど前の物語だから古めかしく感じるかもしれない…と書かれているのですが、そんなことは、全くそんなことはありませんでした。読み終えた後のこの気持ちを少しでも多くの読者たちと共有したくなります。この美しい作品が長年愛され続けている理由がよくわかりました。この作品を高校生の読者たちに課題図書として読んでもらおうと選んでくれた方たち…ありがとうございます。本当に、ありがとうございます。

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レビュアー

時間の流れや「老い」、そして世代を超えて受け継がれていくものについて、静かに、けれど力強く問いかけてくるような深みがありました。
大事件が起きるわけではありませんが、思春期特有の言葉にできない不安や心の揺らぎがリアルに表現されており、読みながら自分自身の内面とも向き合えるような不思議な魅力があります。
訳文が読みやすく、物語にのめり込むことができました。

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平和のうぶごえ:「原爆の子」として生きた80年

世界中で読み継がれる、広島の被爆少年少女の体験手記『原爆の子』。最晩年を迎えたその執筆者らがいま伝えたいこと

 


【みどころ】
6歳で被爆、家は焼け、土手で掘っ立て小屋暮らし。原爆症、トラウマ、差別……戦後80年が過ぎても被爆者の厳しい人生は続く。それでも決して平和を諦めない「原爆の子」たちから現代の若者へ送る、生きるためのエール!

早志百合子 著
毎日新聞出版
2,420円

【選定理由】
被爆者である著者の体験と半生、また『原爆の子』執筆者の手記も収められ、戦後80年を過ぎた今、高校生に響く一冊。平和についてさまざな意見を読書感想文にしてほしい。
レビュアー

被爆した経験を持つ「原爆の子きょう竹」の会の元会長による手記。
実際に経験した方々の生の声を聞くことが困難になってきた今、非常に貴重といえる。綴られた体験、感情は、体験時が幼児、少年少女期であるからが故か、幼くも非常に生々しくしかも痛々しく迫る。しかも艱難辛苦の中、前を向き生き抜く原動力が、自身の好きな事だったり、家族への想いだったりと今を生きる人々(未体験のひとびと)となんら変わりない想いであることが、安堵でありむごくもあるように感じ、いかに平穏が貴重であることを強調してくるようだ。
先達たちの想いとはうらはらになりつつある今の世界情勢に対しても非常に大切な証言の書。

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教育関係者

子どものころ、夏になるとテレビや新聞、それから通っていた図書館で見かける戦争の話がこわかった。
原爆についても、黒焦げになってしまったとか、皮膚が・・・などの記述や絵、写真を見て眠れないほど怖くなったことが何度もあった。
自分の成長とともに、子どもながらに「怖い」という感情だけではなく「戦争はだめ」という論理を考えるようになった。
幼かったころは、結果が怖くてたまらなかったのだと途中で気づいた。
そしてこの本。私と同じように「怖い」というイメージだけ先行している子どもたちもいると思う。
そんな子どもたちにぜひ読んでもらいたい。
高校生の部むけである。だからこそ読んでほしい。
なぜなら「戦争が終わっても人生が続く」ことが、早志さんの言葉、生き方すべてから得る学びのひとつだから。
広島に原爆投下されたとき小学3年生だった早志さん。その瞬間たまたま玄関にみながいて、家族全員がなんとか命はとりとめたけれどそこからの何日間の記述はまさに地獄だ。また、思春期にアメリカによる放射能の影響を調べられるために、尊厳もない検査を何度も受けさせられる。バスガイドとなってからは、仕事で歌う「原爆許すまじ」を最後まで歌いきることができない。当事者としての辛さは文字で読むと「辛い」とわかるけれど、おそらくそれは想像した辛さであって、ご本人が時間をかけて受けた苦しみがわかるわけではない。
早志さんは、前向きで明るい、行動力もある方だ。
そして語り継ぐことの大切さと辛さを、ちゃんと伝えてくださっている。
戦後80年を過ぎた。第二次世界大戦からは80年過ぎたけれど、世界に目を向けると戦争は現在進行形だ。
観念的に「戦争反対」を冷笑する層も出てきてしまっているこの国だけど、学びの渦中にいる高校生・中学生などがこの本を読み、戦争を起こしてはならない、平和の尊さを実感してほしいものだ。

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書店関係者

小学校の時に図書室に置いてあった原爆の写真集を見たときの衝撃は忘れられない。人の体がこんな風になってしまうのか、という恐怖はふとした時に脳裏に浮かぶほどのむごさでした。それから数十年、今回課題図書という形で本書が選ばれたことは素晴らしいことだと心から思います。子どもだった頃の私は「もしも私がこの立場だったら」と想像していたものですが、今の私は「もしも大切な家族が、子が」と想像して息を呑みます。そんなこと、想像したくもないし考えたくもありませんが、それは実際に被爆された方々だってそうだったのです。そのことを忘れてはいけない。それまでは穏やかで楽しい日々をおくっていたいたのに、あの日あの瞬間から日常がひっくりかえってしまった。知らなければならない、伝え続けなければならない。きっと次世代を生きる高校生の読者の方々もそう感じるのではないでしょうか。

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