
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
「学校って校則みたいに目に見えるルールよりも、同調圧力みたいに目に見えないルールの方が、意外とやっかいだったりするかも。」その一節が私の心の奥深くにつき刺さった。
私は四月に新しい学校に転校して来た。前の学校では、人を笑わせることが好きで、甘い物には目がない自他共に認める食いしん坊なタイプだった。そんな自分でいることが当たり前で、心地よかった。しかし、新しい学校では、友達にどう思われるか不安で、そういう自分らしさを隠している。きっと今の私を前の学校の友達が見たら驚くと思う。でもそれでいいと思っていた。
物語の主人公の優希は私にそっくりだ。クラスで「いい子」を演じ、自分の中にある違和感を感じながら、表面上うまくやっている。それは優希が本当の自分を隠して、周りに合わせているからだ。読み進めていくと、私と優希が重なって、優希の息苦しさがどんどん伝わってきた。まるで見えない糸で心を縛られているようだ。そして、その正体こそ、本のタイトルの透明なルールだと気づいた。
そんな優希の前に現れたのが、才能あふれる転校生の愛だ。愛は周囲に合わせる事より自分の気持ちに正直に生きている。優希は戸惑いながらも、愛と接する中で「自分は誰からも命令されていないのに、勝手にルールを作って自分を苦しめていただけかもしれない」と考えるようになった。この優希の気づきは私にとっても衝撃だった。
まさに今の私は、自分で自分の見えないルールに縛られている。転校してすぐの修学旅行では楽しみにしていたおやつタイムの為に沢山お菓子を買った。しかし、みんなほとんど食べていなくて、人にどう思われるか心配で、我慢して一つしか食べなかった。やってみたい係だって、人気があったので遠慮した。転校生は一挙一動が命取りだと思っていた。
振り返ると、そういう時の私は優希と同じように、とても疲れていた。周りに合わせているつもりでも、本当の自分を隠し続ける事は、心の負担になると分かった。それと同時に、愛のように自分らしく振る舞う人を見ると、うらやましい気持ちと少しの勇気をもらえるような気がした。愛と優希の関わりから、「みんなと同じでなくてもいい」という姿勢は、わがままでなく、自分自身を大切にするために必要なことだと思った。
物語の中で、優希が少しずつ本音を言えるようになった時、私の胸が熱くなった。私も透明なルールを一つずつ見直していきたい。自分で作ったルールだからこそ、自分で変えることができると優希から教わった。もちろん、周りの人の考えを尊重することも大切だ。しかし、時には私の中にある息苦しさを壊してもいいんだよと背中を押してくれた一冊だった。これからは、「それって本当に必要なルール。」と自分に問いかけていきたい。そうすれば、きっと今よりもっと自分らしく生きられると信じている。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
●読んだ本「透明なルール」(KADOKAWA)
佐藤いつ子・著

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -