第33回/中学校の部/優秀賞

「ツナガル心の色」

 福岡紀子(愛媛県喜多郡内子町立内子中学校3年)

「世界とキレル」(あすなろ書房)


 舞が、切れることをものすごく嫌がったSNSの世界。「キレル」ことは、彼女にとって世間との断絶、孤立そのものを意味した。しかし、それは仮面同士のつながりでしかなく、蜘蛛の糸のように切れたらおしまい、というもろい関係だった。
 「森の家」で出会った七人は、画面を閉じても切れない仲間となった。このつながりこそ大切なのだと、舞は気付く。差し伸べてくる手には確かな心のつながりを示す「電波マーク」を立ててみた。