第32回/中学校の部/優良賞

「最高の偽善者に」

 沖メイ子(岡山県倉敷市立連島中学校1年)

「きつねのざんげ」(岩崎書店)


 “偉大な偽善者”が狐の理想でした。お月さまに問いかけながら努力する狐は、ある日女狐のハナの為に森で一番の偽善者である“人間”になります。
 人間になりハナが逃げた孤独で寒々しい世界と、元の満ちていた世界での、狐の純粋さ、哀しい戻りようのなさに心を動かされ、二つの世界を鏡の様に逆さまに湖に映しました。
 春だと騙して咲いた白木蓮が、風に散る場面がとても印象的だったので、花びらで二つの世界を繋ぎました。