第26回/高等学校の部/優良賞
「夕方に染まらず」
岩渕 彩加(山形県立新庄北高等学校2年)
「落下する夕方」(角川書店)
華子はいつでも自由奔放で誰にも縛られず、故に心の帰るところがない人間だった。色々なものから逃げ続ける華子を社会はどこまでも追ってくる。その逃げることの苦しみから解放された華子を描いた。
後悔や苦悩などの思いを抱く生ある人間と、死によって感情から解放された華子との対比を赤と青で表した。林檎には万有引力に縛られている様子と禁断の実を食べた人間の二重の意味をつけた。