第23回/高等学校の部/優良賞

「共存」

 中西 紗菜(岡山県立総社南高等学校 2年)

「家守綺譚」(新潮社)


 私は、家守綺譚という本を読みました。この作品の世界は、植物が感情を持ち、河童や妖精が出てくる不思議で美しい世界です。そして主人公のすべてに対する「怖れ、憧れ、情」などの感情が描かれています。主人公はある日、サルスベリに懸想をされてしまいますが、それを当たり前のように受け入れ、うまくつきあっていきます。昔の日本はこの物語のように不思議な出来事を受け入れて、共存していたのだろうかと思いたくなりました。