第21回/高等学校の部/優良賞
「ざりざり」
吉田 優加(福井県立三国高等学校 1年)
「体は全部知っている」より小さな魚(文藝春秋)
「体は全部知っている」という本の中の短編を描いた。主人公の女性は、長年胸にはりついていた魚型のアテロームを自ら焼いてしまう。失った後で自分の何かが削り落ちたことに気付くのだ。肌からはがれていく魚の鱗のきらめきや、ケロイドがはがれていく肌の痛みを描いてみたかった。様々な感触を表すために、油絵具を薄めたり厚く盛り上げたり、ボールペンで削ったりして、迫力のある深い仕上がりになるよう工夫した。