第19回/高等学校の部/優良賞

「河のその先へ」

 野津 里美(島根県立松江東高等学校 3年)

「深い河」(講談社)


 「深い河」と出会い、人々の癒されぬ悲しみを感じながら、私は漠然と、救いってなんだろうと考えるようになりました。この作品において、人間は、人間を救うにはあまりにもちっぽけな存在です。悩んだ末に彼らがたどり着いたのは、自然であり神であり、そしてガンジス川でした。人々がひしめき合う川へ自らも身を沈めた美津子。彼女の眼には人々の向こうにある何かが確かに写った気がしたので、その光景を絵に表そうと思いました。